Bahaの仕組み
Bahaシステムとは、人工内耳で有名な「日本コクレア」が販売している埋め込み型補聴器の1つです。
骨を通して音を伝えるという骨伝導の仕組みを使った非常にシンプルな補聴器です。
- まず、外科手術により頭蓋骨に直接チタン製のインプラントを埋め込みます。
- 埋め込んだインプラントにBahaシステムを設置します。
- Bahaシステムが音をキャッチします。
- Bahaにより増幅された音がインプラント通して骨に伝わります。
- 音の振動が外耳道や鼓膜、耳小骨などの中耳を迂回して、内耳に伝わります。
- 内耳の有毛細胞が振動を電気信号に変換し、脳に伝えます。そうして、音を認識することができます。
参考|Cochlear Webサイトより
このように、骨を通じて音を振動として伝える補聴器を「骨伝導補聴器」と呼ばれています。
頭蓋骨にインプラントを埋め込む手術は歯のインプラント治療の技術を応用したものと言われています。
そこまで大変な手術ではなく、局部麻酔で日帰り手術も可能です。
効果が期待できる難聴の種類
Bahaシステムは、外耳や鼓膜、耳小骨などの中耳に症状がある「伝音性難聴」の方にに大きな効果が期待できます。
難聴者の大半は蝸牛や聴神経などの内耳に症状がある「感音性難聴」であると言われています。これらの症状には一般的な耳かけ式やカナル式、もしくは人工内耳の方が効果が期待できると言えます。
しかし、同じ感音性難聴でも「片耳」のみに発生している一側聾の方にも一定の効果があるといわれています。
※詳しくは「片耳難聴の効果」をご覧ください。
コストについて
「両耳が難聴であること」を条件で、Baha本体と手術代も含めて約8万5000円程度かかります。※年齢や所得によって異なります
全て自分で負担すると60万円ほどかかりますが、2013年1月1日より健康保険の適用が認められたので、原則「自己負担上限額」の支払いですむのです。
これは、「高額療養費制度」といって、自己負担3割分の治療費が一定の金額を超えた場合、その超えた金額を国が支払う制度です。
例えば、1カ月の治療費が70万かかった場合、健康保険3割の21万を患者が払う必要があります。
これでは金銭的な負担が大きいので、少なくとも8万円を支払えばいいですよ。それ以上は国が払います、という制度です。
この制度は、平成27年度から改正され、「自己負担上限額」は年齢や所得が異なりますので、詳しくは厚生労働省のホームページなどで調べてみましょう。
(例)70歳未満で年収が年収約370~約770万円の方
- 治療費総額
- BAHA本体 :51万8000円
- 手術代 :8万5000円
- 入院費など :(病院によって異なります)
- 健康保険による3割負担
- 高額療養費制度による負担上限額の負担
総額 : 60万3000円 + α
例えば、1ヵ月の治療費が70万円の場合 → 21万円(3割負担)
患者の負担上限額 8万100円+(70万-26万7000円) × 1% =8万4430円
※高額療養費の支給額 21万円-8万4430円(負担上限額) = 12万5570円
保険の適用条件
健康保険の適用は以下の条件にあてはまっている必要があります。
- 両耳が難聴であること
- 難聴の原因が以下のいずれかの疾患であること
- 外耳道閉鎖症
- 耳硬化症
- 真珠種
- 耳小骨奇形
- 18歳以上の患者であること (外耳道閉鎖症の場合は、親の同意があれば15歳以上でも可)
試しに聞いてみよう
手術をしなくても、ソフトバンドやテストロッドなどを使ってBahaを視聴することができます。
とりあえずBahaの音を聞いてみたいという方は、日本コクレアのホームページから病院を検索して依頼してみましょう。


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